: 可制御性
: Dsys
: 同値変換の系
という系の議論でした.
(3)式から
が得られますが,固有方程式 の全ての根 が
を満たすと,
などの性質が判りました.
今度は(3)式に で表現される外部からの強制力が加わった系を考えます.ついでに式を一般化しておきます.今まで で時間の経過を表す変数にしましたが,これを に変えます.
を2次元の列ベクトルから, 次元の列ベクトルへ, は 行 列の行列.
新たに加わった 次元の列ベクトルにします.ただし,
は 行 列の行列です.
新たに加わった外部からの強制力は,人間の意図的な「努力」などを表します.
最初,このお話は草原にいる狼と,ウサギの個体数から出発しましたが,
ウサギや狼の頭数を調整したりする「保護活動」の努力を表すこともあるでしょう.
あるいは,保護と正反対な乱獲や環境破壊かもしれません.
無論,このような方程式は,生態系に限らず,物理系,機械系,社会経済,etcにも現れます.社会経済なら,各年度の政府の経済政策や税制政索を が表すかもしれません.
マイホーム獲得向けての毎年の財形計画や,お子さんの進学のための教育投資や計画かもしれません.
工学では は「制御変数」と呼ばれ はその時の系の何かの様子を表すので「状態変数」と呼ばれます.
用語の説明は,制御工学やシステム工学の専門書などにお願いするとして,
と意図的な外力(制御)を加えていくと, から始まる
はどうなるか調べてみます.
まず(5)式から
です.次にこれと(5)式から
さらに
結局
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記号の中の式では のべき乗の指数と の括弧の中の数字が,その和が となるように変化しています.このような演算は畳み込み演算と呼ばれます.
いまは から へと計算しましたが, から始めて
までなら
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となります.
: 可制御性
: Dsys
: 同値変換の系
Yasunari SHIDAMA