無矛盾性

${\cal G}$を${\bf L_g}$の部分集合の論理式の集合

$${\cal G}=\{ {\cal A}_1, {\cal A}_2,{\cal A}_3,\cdots, {\cal A}_n\}$$

とする。

$${\cal A}_1,{\cal A}_2,\cdots,{\cal A}_n \vdash_H \cal B$$

を簡単のため，

$${\cal G} \vdash_H \cal B$$

と書くことにする。 ある論理式${\cal B}$が存在して

$${\cal G} \vdash_H {\cal B} \qquad {\cal G} \vdash_H \lnot {\cal B}$$

となるとき，${\cal G}$は矛盾するという。 このような${\cal B}$が存在しないとき，${\cal G}$は無矛盾であるという。

定理6

${\cal G}$が矛盾すれば，すべての論理式は公理系${\bf H}$と${\cal G}$から証明可能である。すなわち任意の論理式$\cal C$について

$${\cal G} \vdash_H \cal C$$

証明 ${\cal G}$が矛盾すれば，ある論理式${\cal B}$が存在して

$${\cal G} \vdash_H {\cal B} \qquad {\cal G} \vdash_H \lnot {\cal B}$$

である。ここで 公理$(11)$によれば任意の論理式${\cal C}$について

$$\vdash_H ({\cal B} \land \lnot {\cal B}) \Rightarrow {\cal C}$$

であり， 推論規則「論理積」によれば，

$${\cal B} \land \lnot {\cal B}$$

も証明可能である。 従って， ${\cal C}$も証明可能になる。