PICNIC

周辺拡張オプションキットの製作

■周辺拡張オプションキットの製作

1. 概要

2. 入手方法

3. 組み立てに必要な工具類

4. 組み立て

5. 実装後の基板の様子

6. 動作試験

 

→質問やお気づきの点はこちら

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2008年6月24日 9:47 更新

 

●概要

特徴仕様回路図コネクタピン配置部品表


5.1.1 特徴

このキットは、IT大学(院)「IT技術演習」の課題実施と、動作確認のために必要です。

PICNICキットの外部接続コネクタに接続して使用します。フォトアイソレータICを介して接続された接点入出力2系統、ならびにアナログ入力2系統が、端子台に配置されています。特に、ディジタル出力は機械式リレーによって接点出力されているため、接続する機器を選びません。誘導負荷時、接点容量5A(120VAC)の制御が可能です。オリジナルのガラスエポキシ両面スルーホール基板が用意され、この右側の空きエリアには回路拡張、試作用のユニバーサル領域が準備してあります。リレー駆動用電源は、PICNIC-CN3コネクタから、製作する電源ケーブルを用いて供給します。

<写真1> 周辺拡張オプションキット


5.1.2 仕様

・接点出力:2系統(RB6, RB7)、機械式リレーによる絶縁型接点

・接点入力:2系統(RB0, RB1)、フォトアイソレータによる絶縁型接点

・アナログ入力:2系統(RA0, RA1)、0〜+5V、10bit分解能(0〜1023)、PICNIC側グラウンドと共用

・外部端子台:8pin × 2個(CN3, CN4)、リレー接点出力+接点入力

・回路拡張のためのユニバーサル領域を用意(DIP-21×6)

・電源電圧:DC12V(PICNIC-CN3から供給)


5.1.3 回路図

クリックしてPDFファイルを表示

<図1> 回路図(クリックしてPDFファイルを表示)


5.1.4 コネクタピン配置

CN1:電源端子

1
2
DC+12V
GND

CN2:PICNIC接続端子
※PICNIC-CN2と同じ。pin14〜26はPICNIC側5V系GND

1
2
3
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10
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13
RA0
RA1
RA2
RA3
RB0
RB1
RB2
RB3
RB4
RB5
RB6
RB7
DC+5V

CN3:リレー接点出力端子

1
2
3
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7
8
DC+12V
RB7-COM
RB7-T
RB7-F
RB6-COM
RB6-T
RB6-F
GND(12V)

CN4:接点入力・アナログ入力端子(基板上では8番pinが左側であることに注意)

1
2
3
4
5
6
7
8
RB0-TA
RB0-TB
RB1-TA
RB1-TB
GND(5V)
RA0
RA1
DC+5V

 


5.1.5 部品表

部品番号 品名 メーカー/型名/規格 数量
【基板上部品】
CN1 電源コネクタ モレックス 5045-02A 1個
CN2 ピンヘッダー ヒロセ HIF3H-26PB-2.54DSA 1個
CN3,4 基板用端子台 サトー ML-35B 8P 2個
R1〜6 抵抗 カーボン1/4W 100Ω、4.7KΩ、1KΩ 各2個
C1,2 コンデンサ 縦型電解コンデンサ 10V 47μF 2個
D1,2 ダイオード 1E10 1A 2個
K1,2 リレー(1ch接点) オムロン G5LE-1 DC12V 2個
U1,2 フォトカプラ 東芝 TLP521-2 2個
  ICソケット KEL ICC05-008-360T 8P 2個
  スペーサー ロジー SBB-311(3mmナット付) 4個
【 周辺部品 】
  圧接式リボンコネクタ ヒロセ HIF3BA-26D-2.54R(圧着済み) 2個
  リボンケーブル 26芯フラット 20cm 1本
  電源コネクタ モレックス 5102−02 2個
  コネクタコンタクト モレックス 5103 4個
  ケーブル 0.3mmヨリ線 赤、黒 1m 各1本
  電子ブザー 松下 EB-2132 DC12V 15mA 1個
  防犯スイッチ デルカテック MS-102(OFF型) 1個
  ゼロプレッシャーソケット TEXTOO 40P 1個
  PICマイコン PIC-16F877-20/P 1個
【 特注基板 】
  基板 ガラスエポキシ両面スルーホール 1枚

●入手方法

正規生の方は、入手方法について、担当(和崎)までメールにてお問い合わせください。折り返し手順についての説明メールを返信します。(wasaki@cs.shinshu-u.ac.jp)(2008/06/19)

送付物(梱包)概要
・両面スルーホール基板、部品一式
・PICNICキット外部接続コネクタとの接続用ケーブル(コネクタ圧着済)
・動作チェック用の電子ブザー、防犯スイッチ、ゼロプレッシャーソケット、PICマイコン

●組み立てに必要な工具類

このキットは部品点数も少なく、両面スルーホール基板でハンダ流れも良好なので、組み立ては慣れている方であれば15分〜1時間程度で終了します。組み立てには、以下の工具が必要です。

・ラジオペンチ
・ニッパー
・ハンダこて
・やに入りハンダ
・マイナスドライバー

あれば便利な工具は以下のようなものです。

・ハンダ吸い取り器(ハンダ付け間違えした部品を取り外す時に必要)
・はさみ(電子部品を、梱包しているビニール袋から丁寧に取り出す際に必要)
・ワイヤストリッパ(電線の被覆を線材を傷つけずに綺麗に剥く)
・ハンダこて台(作業性アップ)
テスター(抵抗値、線材接続の確認、電源電圧チェックなどに便利)

<写真2> 組み立てに必要な工具+あれば便利なもの

ここに写っている工具は、私が愛用しているお気に入りのものです。参考のために、メーカー・型番を挙げておきます。(左上から)

ミニチュアラジオペンチ:HOZAN P-36
ミニチュアニッパー:HOZAN N-31
±差し替えドライバーセット:HOZAN D-8/D-4
ハンダ吸い取り器:goot GS-108
・文具はさみ:メーカー不明(ホームセンターで購入)
単線(極細)用ワイヤストリッパ:HOZAN P-952
絶縁型ハンダこて:goot KS-30R(30W)
ハンダこて台:goot ST-76
ヤニ入りハンダ:千住金属工業 スパークルソルダー φ1.0mm × 100m巻

●組み立て

部品梱包袋組み立て実体図部品外観組み立て手順


5.4.1 部品梱包袋

キットに同梱される部品、ケーブルその他の部品は以下の通りです。
・両面スルーホール基板、部品一式
・PICNICキット外部接続コネクタとの接続用ケーブル(コネクタ圧着済)
・動作チェック用の電子ブザー、防犯スイッチ、ゼロプレッシャーソケット、PICマイコン

これらが、いくつかの部品梱包袋に分かれて入れられています。

<写真3> キットに同梱される部品、ケーブルその他

部品を袋から取り出すと、特に小さい部品(例:MOLEXピンコンタクトなど)は、風が吹けば何処へ飛んで行ってしまいます。その前に、下に示すようなトレイに整理して一時保存しておくと良いでしょう。

<写真4> 部品をトレイに整理(HOZAN B-40 パーツトレイを使用した例)


5.4.2 組み立て実体図

クリックして拡大画像を表示

<写真5> 組み立て実体図(部品面:クリックして拡大画像を表示

<写真6> 組み立て実体図(ハンダ面)


5.4.3 部品外観

【基板上部品】

CN1:電源コネクタ:モレックス 5045-02A:1個
CN2:ピンヘッダー:ヒロセ HIF3H-26PB-2.54DSA:1個
CN3,4:基板用端子台:サトー ML-35B 8P:2個
R1〜6:抵抗:カーボン1/4W 100Ω、4.7KΩ、1KΩ:各2個
C1,2:コンデンサ:縦型電解コンデンサ 10V 47μF:2個
D1,2:ダイオード:1E10 1A:2個
K1,2:リレー(1ch接点):オムロン G5LE-1 DC12V:2個
U1,2:フォトカプラ:東芝 TLP521-2:2個
ICソケット:KEL ICC05-008-360T 8P:2個
スペーサー:ロジー SBB-311(3mmナット付):4個

【 周辺部品 】

圧接式リボンコネクタ:ヒロセ HIF3BA-26D-2.54R:2個(リボンケーブル:26芯フラット 20cm:1本圧着済)
電源コネクタ:モレックス 5102−02:2個、コネクタコンタクト:モレックス 5103:4個
ケーブル:0.3mmヨリ線 赤、黒 1m:各1個
電子ブザー:松下 EB-2132 DC12V 15mA:1個
防犯スイッチ:デルカテック MS-102(OFF型):1個
ゼロプレッシャーソケット:TEXTOOL 40P:1個
PICマイコン:PIC-16F877-20/P:1個

 


5.4.4 組み立て手順

(1)部品の確認

まず、送られて来た部品と、部品表とを照合して、必要な部品が揃っているか確認します。

(2)基板への部品取り付け

※組み立て手順は、基本的に背の低い部品から先にハンダ付けしていけばOKです。

(a) 抵抗:R1→R2→…→R6 
 ビデオ(6'45")  

(b) ダイオード:D1→D2 
 ビデオ(2'21")  

(c) ICソケット:U1→U2 
 ビデオ(2'04")  

(d) 端子台:CN3→CN4 
 ビデオ(1'23")  

(e) 26pinピン、電源コネクタヘッダ:CN2→CN1 
 ビデオ(4'06")  

(f) 電解コンデンサ:C1→C2 
 ビデオ(2'34")  

(g) リレー:K1→K2 
 ビデオ(2'20")  

(h) スペーサ、ネジ(4個) 
 ビデオ(1'51")  


(3)電源ケーブル・端子台バイパスケーブルの作成

電源ケーブル:コネクタコンタクト(モレックス5103)へ、ケーブル:0.3mmヨリ線(赤、黒)を20cm程度に各々切断したものをハンダ付けした後、電源コネクタ(モレックス5102−02)へ挿入し固定する。コネクタ1番ピンが赤(+)。 
 ビデオ(8'40")  

端子台バイパスケーブル:ケーブル:0.3mmヨリ線(赤、黒)を5〜10cm程度に各々切断したものの先の被覆を剥き、ハンダめっきする。 
 ビデオ(1'45")  

(4)防犯スイッチへのケーブル取り付け

防犯スイッチ(デルカテックMS-102)のスイッチ側端子台に、ケーブル:0.3mmヨリ線(赤、黒)の残りを固定する。バラ線先の部分はハンダめっきしておくと良い。 
 ビデオ(6'20")  

●実装後の基板の様子

<写真7> 組み立てが完了したキット外観

<写真8> 基板サイドから見たところ(その1)

<写真9> 基板サイドから見たところ(その2)

<写真10> 基板サイドから見たところ(その3)

<写真11> 基板サイドから見たところ(その4)

●動作試験

試験環境の準備リモートI/O制御の試験(その1)リモートI/O制御の試験(その2)アナログ入力回路の試験


5.7.1 試験環境の準備

PICNIC基板上のジャンパJP1は外す処理】(2005/05/30追記)

(0)PICNIC基板、左上のジャンパJP1が、現在、1-3:2-4でジャンパが入っている状態との接続であるが、これを外す(下側ピン1,2側へ引っ掛けておくと良い):※理由:PICマイコンのRB0,RB1が、シリアルポートのフロー制御線と共用になっており、演習時にはこれは無用なため。

PICNIC⇔周辺拡張オプション間の接続

(1)PICNICとの接続:電源コネクタと、フラットケーブルを相互に接続する。特に、PICNIC側電源コネクタの極性を間違えないように!(左側1番ピンが赤+)。

<写真12> PICNIC⇔周辺拡張オプション間の接続(周辺拡張ボード側)

<写真13> PICNIC⇔周辺拡張オプション間の接続(PICNIC側)

端子台へのバイパス線と電子ブザーの配線、防犯スイッチの接続

(2) 端子台へのバイパス線:端子台CN3の1⇔2番ピン(DC+12V⇔RB7-COM)を、バイパス線で接続する。

<写真14> 端子台CN3へのバイパス線接続

(3) 電子ブザーの配線:端子台CN3の3番ピン(RB7-T)と8番ピン(GND)を、電子ブザーのプラスマイナス極へ各々接続する。

<写真15> 電子ブザーとCN3の配線

(4) 防犯スイッチの接続:防犯スイッチ側の端子台のカバーを開け、ケーブルの片方をネジで固定する(無極性)。次に、もう片方を、端子台CN4の1番ピン(RB0-TA)と2番ピン(RB0-TB)へ接続する(こちらも無極性)。

<写真16>  防犯スイッチ側の端子台への接続

<写真17>  端子台CN4側への接続

PICNICも含めた全ての接続状況


<写真14> 周辺部品の端子台への接続が完了した状態


5.7.2 リモートI/O制御の試験(その1)

PICNICのリモートI/Oのうち、ディジタル出力(RB7)の制御を行って、そのポートに接続されている電子ブザーを鳴動させてみよう。

(1)前述の 5.7.1(a) 端子台へのバイパス線と電子ブザーの配線 を実施しておく。(電子ブザーがRB7のリレー接点へ接続されている状態)

(2)動作試験用のPCならびにネットワーク環境を設置して、PICNICのリモートI/O制御がwebブラウザで行える状態にする。

(3)リモートI/O制御画面から、ディジタル出力(RB7)の出力値を、L→Hへ変更する。

(4)変更した直後、機械式リレーの動作音(カチッ!というソレノイドが動く音)が聞こえ、電子ブザーが鳴ることを確かめよう。なお、今回、同梱されているブザーは、ドア開放警報音に良く用いられる「ホロホロ」である(松下電工のヒット商品)。

(5)リモートI/O制御画面から、ディジタル出力(RB7)の出力値を、H→Lへ変更して、ブザーを停止する。

<練習問題1>
ディジタル出力(RB6)の制御によって、電子ブザーを鳴動させてみよう。端子台CN3と電子ブザーの配線を、どのように変更すればよいか?

<練習問題2>
PICNIC側のディジタル出力(RB6,7)から、フォトアイソレータ→機械式リレーがオンになるまでの経路について、回路図を辿って確認してみよ。ディジタル出力の論理(H/L)と、リレー接点出力の論理(T/F)が対応しているのは何故か?

※電子ブザー「ホロホロ」の音が大きすぎて困る、という場合の対策:
上部の音が出るスリットのところにセロテープ等を張ることで、音量を調節することが可能です。

 ハズしてしまうと、プログラム完成時の 喜び が少なくなるような気がしますので、止めましょう ;-P



5.7.3 リモートI/O制御の試験(その2)

次に、PICNICのリモートI/Oのうち、ディジタル入力(RB0)値の監視を行って、そのポートに接続されている防犯スイッチの状態を調べてみよう。

(1)前述の 5.7.1(b) 防犯スイッチの接続 を実施しておく。(防犯スイッチがRB0の接点入力へ接続されている状態)

(2)動作試験用のPCならびにネットワーク環境を設置して、PICNICのリモートI/O制御がwebブラウザで行える状態にする。

(3)まず、防犯スイッチのマグネット部を、スイッチ部から離した状態(=ドアが開いている状態)にしておく。

(4)リモートI/O制御画面を表示し、ディジタル入力(RB0)の入力値が、"L"であることを確認する。

(5)次に、防犯スイッチのマグネット部を、スイッチ部に近づけた状態(=ドアが閉じている状態)にする。

(6)リモートI/O制御画面を再表示(Reload)し、ディジタル入力(RB0)の入力値が、"H"になったことを確認する。

<練習問題3>
ディジタル入力(RB1)の監視によって、防犯スイッチの状態を検出してみよう。端子台CN4と防犯スイッチの配線を、どのように変更すればよいか?

<練習問題4>
防犯スイッチ→端子台CN4→フォトアイソレータ→PICNIC側のディジタル入力(RB0,1)へいたる経路について、回路図を辿って確認してみよ。防犯スイッチ接点の状態(Close/Open)とディジタル入力の論理(H/L)が対応しているのは何故か?


5.7.4 アナログ入力回路の試験

最後に、PICNICのリモートI/Oのうち、アナログ入力(RA0)値の取得を行って、そのポートに接続されている(直流)電源の電圧値を調べてみよう。以下の例は、PICNIC側電源 DC+5VをそのままRA0へ接続し、アナログ値(1023付近)の取得を行うものである。

(1)端子台バイパス用ケーブルを用いて、CN4端子台8番ピン(DC+5V)と6番ピン(RA0)の接続 を実施しておく。

(2)動作試験用のPCならびにネットワーク環境を設置して、PICNICのリモートI/O制御がwebブラウザで行える状態にする。

(3)リモートI/O制御画面を表示し、アナログ入力(RA0)の入力値が、"1023"付近(5V)であることを確認する。

(4)次に、CN4端子台5番ピン(GND)と6番ピン(RA0)の接続 を実施しておく。

(6)リモートI/O制御画面を再表示(Reload)し、アナログ入力(RA0)の入力値が、"0"付近(0V)であることを確認する。

<練習問題5>
アナログ入力機能を利用して、手元の乾電池(定格1.5V)やボタン電池などの、開放電圧を測ってみよう。例えば RA1 ポートにて電圧を測定するには、CN4端子台と被測定乾電池とを、どのように接続すればよいか? また、得られたアナログ値(10bit : 0〜1023)から、乾電池の開放電圧は(0.1V単位で)どのように求めたら良いか?(ヒント:RA5の摂氏リニア温度センサは、温度係数 +10.0mV/℃である)

 

信州大学インターネット大学院

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