: 他段階問題
: 線形計画法
: 最大化問題
前節では線形計画法の典型的な問題を例示しました。それは制約条件
のもとで,関数
を最大化する問題でした。
条件
を充たす点は
下のような,凸多角形の境界線も含めた内部にあります。
(図1.1)
この凸多角形の頂点を
とすると,
内部の点はこれらの頂点
によって
で表されます。これを
の凸結合といいます。
には「線形性」という性質があります。
これは
とについて,
という性質です。この線形性を使うと,以下の議論ができます。
まず各頂点での関数
のうち最大値を
とします。すると凸多角形の内の任意の
点に対するは
が
の凸結合で表されることから
さらにの線形性から
が最大で,(3)のように各は正の数(
)でしたら,
さらに,(2)から
で
となります。結局,関数の制約条件を表す凸多角形の内部(境界を含む)の点全てを調べる必要がなく、頂点での関数の値を調べれば良いことがが判ります。
(図1.2)
線形化計画法の代表的な解法であるシンプレクス法はは,制約条件を表す凸多角形の頂点での関数の値を効率的に調べる方法です。適当な,頂点から始め,関数の値が増大する頂点へ次々移動して,最大解を探します。
この他に,凸多角形の内部の点から,最大解を与える頂点を探索する内点法もあります。
これらの詳細は,後日述べます。
: 他段階問題
: 線形計画法
: 最大化問題
Yasunari SHIDAMA