三角形の内角の和が180°であることを示す平面幾何の証明を 思い出そう。これを示すには例えば,
という表現であろう。
のような公理と呼ばれる数少ない(自明とされる)論理式から
三角形の内角の和が180°ということを表すのような論理式
を三段論法と呼ばれる推理規則で導いている。
公理系と呼ばれる の部分集合 と推論規則が適当に定めら
れ,恒真論理式が から推論規則によって導けるような体系を,
命題論理の公理的体系という。
中学校時代に学んだ平面幾何学は
ユーグリッド幾何学と呼ばれているが,それには有名な平行線の公理など,
ユーグリッドが選んだいくつかの公理が用いられている。
ギリシャ時代発明された
論理学はこの幾何学の発達とともに発達したと言っても良いだろう。
以下にこの教材で扱う公理系を示す。 は任意の の要素,すなわち論理式とする。 として,次の をとる。