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: 基本的な論理演算 : 記号論理 : 記号

論理式

代数でそうであったように,命題論理でも 式が定義される。 それは論理式と呼ばれる。 代数で学んだように,

\begin{displaymath}
x + y + z \quad x + y \cdot z
\end{displaymath}

は式であるが

\begin{displaymath}
x + y + \quad x + \cdot y \cdot z
\end{displaymath}

は式でない。変数記号$x,y$と演算記号$+,\cdot$を用いて式を 作るためには決まりがあった。 同様に命題変数の記号$X,Y$や論理演算の記号 $\lnot,\land,\lor,\Rightarrow$ を用いて論理式を作るのにも次のような規則がある。
(1).
$T$ および $F$論理式である。
(2).
個々の命題変数は論理式である。
(3).
$\cal A$論理式ならば、$\neg\cal A$論理式である。
(4).
$\cal A,B$論理式ならば、

\begin{displaymath}\cal A \land B, A \lor B, A \Rightarrow B\end{displaymath}

は、いずれも論理式である。
上の定義では$T$$F$以外具体的な論理式は出てこない。$\cal A,B$ は不特定な論理式を表すメタ記号であって,具体的な論理式ではない。 しかし,これらの規則で無数の論理式を作りだすことができる。 例えば

\begin{eqnarray*}
&&命題変数X,\quad Y.と真理値を表す T, \quad Fは論理式である。...
...htarrow X \lor \lnot Y
も論理式 (規則(4))\\
&& \cdots \\
\end{eqnarray*}

上の例でも判るように,プログラム言語を学んだ人には馴染みのある 「再帰的」な定義になっている。 命題論理における論理式の全体を $\bf L$ と書くことにしよう。



Yasunari SHIDAMA