: 補足2
: 変分法
: 変分問題2
  目次
補足1:少し神経質なお話
この例ではがのときに関し一様にに収束することから
極限記号と積分記号の交換が可能で
となりましたが,収束が一様でない場合は注意を要します。
以下の例の様に極限記号と積分記号の交換できない場合もあります。
再び,微積分の復習になります,
がのときに各点収束するとは
任意の正数
に対して,そのとの両方に
依存して決まるある正数
が存在して,
ならば
が成立つことです。
がとの両方に依存してきまると,
以下のように,一様収束の場合と様子が違ってきます。
について各点収束する関数の例としてを
で定義します。
まず,
のときの
を調べておきます。
のときは
となるので
です。それ以外のでは
定義から
ですので,
のとき
さて,この例では極限記号と積分記号の交換は可能でしょうか?
しかし一方
ゆえに
上の式のように困った事態になるのは関数が一様収束しないからです。
一様収束するには以下の条件が必要です。
そこで
の最大値を調べてみます。
となるのは
のときで,
最大値は
となり,結局,
というように
のとき無限大に発散してしまいます。
従って関数列は一様収束しません。
: 補足2
: 変分法
: 変分問題2
  目次
Yasunari SHIDAMA