: 集合族
: 写像の形式的定義
: 定義
目次
前節では,集合の直積を用いて写像を以下のように形式的に定義しました。
がからへの写像
しかし,この定義では写像のグラフの具体的な構成法については述べられていません。
例えば,実数空間の元にその絶対値を対応させる写像
を構成することを考えましょう。
にはのときが,のときが一意に対応します。
関係式
を
とおくと
が成立つます。第2章の議論により
という集合が定義できます。これが写像のグラフを定義していることを確かめるのは
容易です。
一般に関係式
について
と
が成立つとき
という集合が定義でき,写像のグラフを定義します。
Yasunari SHIDAMA