: 順序関係
: 関係
: 商集合
目次
とします.上の同値関係をで定義します.の直積による表現は
です.
から
への写像を
で定義します.
このとき
からへの写像
が
で定義され,これは双射で
ここで は上の恒等写像
という関係が成り立っています.これをの標準分解と言います.
[証明]
- まず,
が写像を定義していることを確認します.すなわち
が写像になっていることを確認します.
はとについて同値なによって
となります.
このはと等しいとは限りません.代表元の取り方が異なるわけです.
しかし,このを用いて
としても,はとについて同値ゆえとなります. 結局
が成り立っています.
として
で
なら が成り立っていますのでは関数のグラフになっています.
- 次に,が全射であることを確認します.
がの元ならあるの元が存在して
です.
このの同値類
にを作用させれば
です.
即ち,
これはであることを示しています.
- 今度は,が単射であることを確認します.
を任意にとり
とすると
ですから,あるが存在して,
同様に ですから,
ある が存在して,
の定義から
これらと
から
よってとは関係について同値.
従って
を任意にとっていましたから
これはが単射であることを示しています.
- 最後に
任意のについて
が成り立っています.
よって,
[証明終]
問題
(1)
とします.
の標準分解を求めてください.
(2)
の標準分解を求めてください.
はをで割った余りを表します.
: 順序関係
: 関係
: 商集合
目次
Yasunari SHIDAMA