: 無矛盾性
: 命題論理の公理系
: 推論規則と証明
- 定理5(演繹定理)
-
既述の体系についてその公理系に論理式
を追加してできる新たな系で
論理式が証明可能であるとき,このことを
で表す。さらにこのとき:
が成り立つ。
また,これを繰り返せば
- 演繹定理の証明
-
体系についてその公理系に論理式
を追加してできる新たな系をで表し,
体系についてその公理系に論理式
を追加してできる系をで表す。
は
であることを表している。示すべきことは
である。
がでの「証明」とするとき,定義より
各は次のいずれかである。
- (1).
- は
のうち1つで
ある。
- (2).
- は公理系の各公理の形の論理式である。
- (3).
- 論理式 の前に論理式 と
があり,は
の
形をしている。
そして,
はでの
を含む「証明」になる。これはについての帰納法による。
- (1).
- が
のうち1つであれば,「添加」
により,
はで証明可能な論理式になる。
が自身ならば,公理
により,
はで証明可能な論理式である。
- (2).
- が公理系の各公理の形の論理式であるとき,
同様に「添加」により,
はで証明可能な論理式である。
- (3).
- 論理式 の前に論理式 と
があり,は
の
形をしているときは,
の前に,
と
とがあることになる。
これに「復推移」
を適用すると
が得られる。
- 演繹定理の2,3の応用
-
のとき
これは,まず
から演繹定理により
が得られ,これと公理により
となる。さらに公理により,
と公理から
が得られる。また,公理により
が成り立っている。これらより結局
上の結果を推論規則の形で表現すれば
また論理式の形で表せば
である。(いずれもが省略されていることに注意)
まず,
を仮定する。系に
を追加して得られる系をとする。
さらにこれにの否定を追加した系をと
すると,2重否定により,
が,従って
が得られる。このことから
となり,結局
が得られる。
: 無矛盾性
: 命題論理の公理系
: 推論規則と証明
Yasunari SHIDAMA