: 充足性とモデル
: 述語論理の公理系
: 演繹定理
述語論理は対象領域が具体的に与えられて初めて具体的な意味をもつ。
述語の真理値も決定される。
前節で定義された項と論理式は, 特定の対象を表す記号である対象定数記号,上の変数を表す対象変数記号, からへの関数を表す関数記号および上の述語を表す述語記号から作られた記号列に過ぎない。
これらの記号列が3.1節で与えた対象領域上の特定の述語と,述語の論理演算として真理値を確定するためには,以下の対応を与える必要がある。
- 対象変数記号との要素との対応
これを
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(4.44) |
で表す。
- 対象定数記号との要素との対応
対象定数記号は関数記号とみなし, 関数記号と
上の関数との対応の特別な場合に含める。
- 関数記号と上の関数との対応
で変数の関数記号の全体を,
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(4.45) |
を上の関数全体の集合とし,これらの間の対応を
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(4.46) |
で表す。
- 述語記号と上の述語との対応
真理値の集合を
,
を変数の述語記号の全体の集合として,
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(4.47) |
を上の変数の述語全体の集合とする。
これらの間の対応を
で表す。
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(4.49) |
を解釈という。
解釈
と対象変数記号との要素
との対応を用いて,項にの要素を対応させ,論理式にはその真理値を対応させる作用
を以下のように帰納的に定める。
- 項の値
- 対象変数記号に対しては
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(4.50) |
- 対象定数記号に対しては,これは変数の関数
であり,
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(4.51) |
-
が項で,それぞれ,
での値が
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(4.52) |
のとき,変数関数については
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(4.53) |
- 論理式の値
- が変数の述語変数記号で,
が項のとき,
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(4.54) |
- 特に変数の述語記号すなわち命題記号には
の要素である真理値を
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(4.55) |
で対応させる。
- が論理式ならば、
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(4.56) |
- が論理式ならば、
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(4.57) |
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(4.58) |
- が変数記号を論理式で,が自由変数記号のとき,
をの中に現れない対象変数記号ならば
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(4.59) |
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(4.60) |
例えば
が有限集合
とし,
が3変数の述語とする。
対象変数記号,対象定数記号に対して,
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(4.61) |
とすると
: 充足性とモデル
: 述語論理の公理系
: 演繹定理
Yasunari SHIDAMA