: ノルム線形空間
: 最適化理論-変分法と微分その2-
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再び最初に扱った変分問題に戻りましょう。
それは汎関数
を条件
で最小化(極小化)するものでした。
解法の手順は,まず,
がこの問題の極小解を与えるものとして,
を任意に選び,
とおくと
であり,
として,
とすると,実数値関数
が定義され は で 極小になりました。
これから
得て,ハールの補題を適用した。
これはを介在させて,
に沿った,
のからの変動を計算したことになります。
ここで,関数の集合
からへの写像
について何らかの意味の微分の概念を導入し
実数値関数の極小条件
のような扱いはできないものでしょうか?
よく知られるように実数値関数
の での
は
で定義されています。
これと同様な考えかたと定義を関数の集合上の関数
に持ち込もうというのです。
の要素間に―演算や極限操作を行うための距離―など実数の集合やそれから作られる次元数ベクトル空間と同じような
性質が定義されている必要があるでしょう。
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Yasunari SHIDAMA